食道静脈瘤硬化療法にみられる食道潰瘍の臨床的検討
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概要
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38例の食道静脈瘤に対し待期•予防的に静脈瘤内注入法で内視鏡的硬化療法 (EIS) を施行し, 術後生じた食道潰瘍について臨床的に検討を加えた. 更に11例に esophagoscintigram を施行し術後潰瘍の食道機能に及ぼす影響を検討した. EIS早期の食道潰瘍は出血などの危険因子となるので出来るだけ避けるよう努力することが必要である. 即ち; 穿刺時に血液逆流を確認すると共に注入直後の形態的変化に気をつけ, large upheaval, hematoma like appearance の形成を避ける必要がある. また, 経過中3個以上のほぼ食道全周に及ぶ潰瘍形成では, 下部食道括約機構の破綻及び食道運動障害が認められ, 長期合併症として逆流性食道炎, 食道潰瘍及び狭窄の発生が推察されるので治療終了後の follow up が重要である.
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