イネの葯浮遊培養による高頻度の植物体復原
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概要
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イネ葯培養を用いた植物体の作出効率を高めるため, 葯浮遊培養について検討した. 農林8号および日本晴の葯73,350個を2,4-D 10-5Mを含む液体培地上で浮遊培養することで多数の花粉由来カルスを誘導できた. 誘導カルスを植物体復原培地に移植し植物体を得た. 植物体復原率は誘導初代カルスで10〜14%, 固体培地で一度継代したカルスで32〜35%, 液体培地で一度継代培養したカルスで16〜35%であり, 効率的に植物体を復原することができた. 再分化個体のうち58〜75%がアルビノであったが, 浮遊培養と固体培養とで顕著な差はなかった. カルスの分化能選抜により植物体復原率は73〜75%に高まり, 1000個体以上の半数性植物体を獲得した. 成熟した緑色再生個体のうち11〜19%が半数体, 75〜78%が二倍体, 他が異数体であった. これらの結果は, イネ葯培養として浮遊培養法を組み入れることにより効率が一層高まることを示している.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文
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