Agrobacterium rhizogenes によるトルコギキョウの形質転換と植物体再分化
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概要
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トルコギキョウにおける形質転換系の作成と, 再分化体の Ri T-DNA による形態変化を観察する目的から, Agrobacterium rhizogenes を用いた実験を行った. トルコギキョウ‘紫の峰’実生へ A. rhizogenes 国内菌系統A13株を接種したところ, 接種部位に毛状根が発生した. 発生した毛状根を切取り, ホルモンフリーのLS培地上で培養したところ, 毛状根基部に不定芽が複数発生した. これらの不定芽は植物体へと再分化し, 馴化したところ開花に到った. 毛状根からの再分化体は非形質転換体に比べ, 節間が短くなり, 葉が波打ち, 花が杯状になり, 花粉稔性が低くなるといった形態的な特徴がみられた. Riプラスミドの core T-DNA をプローブにしたサザン分析により, Ri T-DNA の植物ゲノムへの導入が証明された. また, 発芽能のある種子を結実した個体も得られ, 本法がトルコギキョウの形質転換体作出に有効であることが示された.
- 日本植物細胞分子生物学会の論文