滋賀県彦根市の琵琶湖岸におけるヒヨドリHypsipetes amaurotis の春の渡りと気象条件との関係
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概要
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ヒヨドリHypsipetes amaurotis の春の渡りと気象条件との関係を明らかにするため,2005年4月12日から5月13日までの30日間の期間中,滋賀県彦根市の琵琶湖岸においてヒヨドリの飛翔状況を調査した。その結果,調査期間中に合計142群,5,338羽の渡りのヒヨドリが確認された。4月23日に1日の最大群数(25群)が記録され,4月19日に最大個体数(1,257羽)が記録された。渡りは晴天の時に行われ,曇や雨の時にはほとんど行われなかった。また,渡りの群数は飛翔時の風速と負の相関関係が認められた。さらに,渡りは気温の低い午前中,特に06 : 00-08 : 59の時間帯に多く確認された。これに対して,留鳥個体は悪天候時や午後にも飛翔を行った。したがって,ヒヨドリの春の渡りは晴天の穏やかな日,特に,気温が低く大気が安定している午前中に集中して行われている可能性が考えられた。また,渡りの群れの飛翔方向は,風向に関係なく北東方向に集中しており,この方向は本調査地における琵琶湖岸の湖岸線の方向にほぼ一致することから,ヒヨドリは琵琶湖岸という大きなランドマークを利用して渡りを行っている可能性がある。
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