カロテンのパーム油からの抽出 : II. 吸着法
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概要
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自分で調製した吸着剤 (アルミナ : 活性白土=1 : 4) によるパーム油中のカロテンの抽出について検討した。吸着実験に先立ち, パーム原油は80℃においてP<SUB>2</SUB>O<SUB>5</SUB>, H<SUB>3</SUB>PO<SUB>4</SUB>, またはポリリン酸で1h処理した。ほとんどの実験は前処理油20.0g及び吸着剤1〜3gを使用して50℃, 1hの条件で行った。吸着カロテンの脱着は20% (vol) 酢酸ヘプタン溶液を用いて行った。カロテン含量は吸収スクペトル法によりβ-カロテンとして定量した。<BR>H<SUB>3</SUB>PO<SUB>4</SUB>又はポリリン酸による前処理はカロテンの吸着に好影響を与えた。パーム原油を前処理したのち水洗操作を加えるとカロテンの吸着が良くなった。カロテンの吸着と共に他の成分の吸着が起きること, 及び吸着カロテンの一部のみが脱着されることがわかった。カロテン回収率及び濃縮倍率の最高値はP<SUB>2</SUB>O<SUB>5</SUB>処理したパーム油の場合に得られ, それぞれの値は11.3及び34.3%であった。<BR>異なった温度での実験結果から, 今回の吸着剤へのカロテンの吸着は化学吸着的性質を示していることがわかった。
- 社団法人 日本油化学会の論文
著者
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OOI Tian
Palm Oil Research Institute of Malaysia (PORIM)
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ONG Augustine
Palm Oil Research Institute of Malaysia (PORIM)
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間室 秀夫
National Chemical Laboratory for Industry
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窪田 安彦
National Chemical Laboratory for Industry
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椎名 久子
National Chemical Laboratory for Industry
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中里 敏
National Chemical Laboratory for Industry
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ONG Augustine
Palm Oil Research Institute of Malaysia
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OOI Tian
Palm Oil Research Institute of Malaysia
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