アルキル=オクタキス (オキシエチレン) =エーテル同族体の水溶液表面とミセルの性質及びそれらの温度依存性
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概要
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アルキル=オクタキス(オキシエチレン)=エーテル同族体 (C<SUB>n</SUB>E<SUB>8</SUB> : <I>n</I>=10〜15) のcmc, 一分子当たりの面積及びcmcでの平衡表面張力値を, 15.0から40.0℃の温度範囲で, 表面張力の濃度曲線から求めた。一分子当たりの面積及びcmcでの平衡表面張力は, 炭素数の増加とともに減少し, 偶数と奇数の炭素数の違いでジグザグ曲線となった。このことは, 偶数と奇数のお互いに異なった炭素数を持つ界面活性剤分子間の気-液界面における分子配向性の違いによるものであると思われる。<BR>一方, アルキル鎖長中の炭素数に対するlog cmcのプロットは, 直線関係を示し, 偶数と奇数の炭素数の差異は, バルクの性質に対しては観察されなかった。ミセル形成に関する自由エネルギー変化 (<I>Δ</I>Gm) は, cmcの温度依存性から計算された。また<I>Δ</I>Hmと<I>Δ</I>Smの値は, logcmcに対する温度の逆数のプロットから得られた直線の傾きと切片とから, それぞれ求められた。これらの結果から, C<SUB>n</SUB>E<SUB>8</SUB>系列のミセル形成に伴う<I>Δ</I>Smは, <I>Δ</I>Gmに対して支配的に寄与することがわかる。さらに, メチレン基1個当たりの<I>Δ</I>Gm (-CH<SUB>2</SUB>-), <I>Δ</I>Hm (-CH<SUB>2</SUB>-), <I>Δ</I>Sm (-CH<SUB>2</SUB>-) 及びT<I>Δ</I>Sm (-CH<SUB>2</SUB>-) の値は, 炭素数に対する各熱力学的関数の傾きから, それぞれ-0.68kcal/mol, -0.33kcal/mol, 1.16cal/mol・deg, 0.35kcal/molと計算された。<BR>この結果として, メチレン基1個当たりの<I>Δ</I>Hm (-CH<SUB>2</SUB>-) とT<I>Δ</I>Sm (-CH<SUB>2</SUB>-) は, ともにミセル形成に寄与すると結論された。
- 社団法人 日本油化学会の論文
著者
-
上野 実
東京理科大学理学部
-
田端 勇仁
日本サーファクタント工業株式会社ニッコールテクニカルセンター
-
目黒 謙次郎
東京理科大学応用化学科・界面科学研究所
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高沢 要介
東京理科大学理学部応用化学科
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沢村 隆光
東京理科大学理学部応用化学科
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川橋 信夫
東京理科大学理学部応用化学科
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上野 実
東京理科大学理学部応用化学科
-
田端 勇仁
日本サーファクタント工業株式会社
-
田端 勇仁
日本サーファクタント工業
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