逆ミセル溶液における水の可溶化状態によるコロイド粒子の形態, 結晶形および分散性の制御

概要

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逆ミセル系におけるコロイド粒子の形態, 結晶形および分散性に及ぼす可溶化水の影響を明らかにするために, 種々の分光法を用い, イオンおよび非イオン逆ミセル溶液における水の可溶化状態をRw (= [水] / [界面活性剤]) の関数として調べた。その結果, それらの逆ミセル内部には, 2あるいは3つのタイプの水, すなわち, 界面活性剤の極性基への結合水, その水和極性基との結合水, あるいはバルク類似水が種々の割合で存在することがわかった。それらの水の状態と関係づけたミセル状態図から, 逆ミセルおよび膨張ミセルおよびW/Oマイクロエマルション形成に要する最少Rwと他のパラメーターとを算出した。そこで, それぞれのタイプの水を含むミセル系でコロイド粒子の合成と分散性について研究した。その結果, Aerosol OT溶液でGe (OC2H5) 4の加水分解から調製したGeO2粒子のサイズおよび形態, および非イオン界面活性剤溶液でCa (OH) 2水溶液の可溶化溶液へCO2を吹き込んで調製したCaCO3粒子の結晶形は, それぞれ逆ミセル内部における水の状態によって制御されることがわかった。また, TiO2粒子の分散性もイオンおよび非イオン逆ミセル系における水の可溶化状態によって制御された。