イオン性/非イオン性界面活性剤二成分混合系 : 相乗的に強められる界面活性および単分散組成 (<I>X</I><SUB>2</SUB>) 、ミセル組成 (<I>Y</I><SUB>2</SUB>) 、ならびに気/水界面の吸着膜組成 (<I>Z</I><SUB>2</SUB>) の関係
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概要
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表面張力測定法により, 陰イオン性と非イオン性界面活性剤二成分の混合系2種の組合せ (α-SMy・Me/MEGA-10及びα-SMy・Pr/MEGA-10) の水溶液中におけるミセル形成と気/液界面における吸着膜の形成について研究した。本研究は, 前者のα-SMy・Me/MEGA-10について既に報告済み (Langmuir, 2000, 16 (4) 1508-1514) のものと, 加えて, 側鎖の炭素数が二つ多いα-SMy・Pr/MEGA-10について得た結果とを比較しながら, 一つの論文としたものである。<BR>表面張力対対数濃度の曲線を仕込みの組成 (<I>Xi, i</I>=1, 2) ごと求め, これより臨界ミセル濃度 (CMC) と表面過剰量 (<I>Γ</I>) の基礎データを<I>X<SUB>i</SUB></I>の関数として決定した。Rubinghの式を用いて, ミセル内のInteraction Parameter (ω<SUB>R</SUB>) と, 単分散種 (組成<I>X<SUB>i</SUB></I>) と平衡にあるミセル形成種の組成 (<I>Y<SUB>i</SUB></I>) とを見積った。また理論を展開して単分散種と平衡にある吸着膜の組成 (<I>Z<SUB>i</SUB></I>) と吸着膜内のInteraction Parmeter (ω<SUB>A</SUB>) を見積ることが出来た。両組合せの混合系とも, 陰イオン性/非イオン性界面活性剤の親水基間の強い相互作用によって, 界面活性およびミセル形成能が相乗的に高められていることを明らかにした。吸着膜内における各分子の部分分子面積 (PMA) を見積って, 異種分子間の強い相互作用の様子を示すことが出来た。
著者
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杉原 剛介
福岡大学理学研究科
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中野 俊之
福岡大学理学部基礎化学研究室
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堀田 大樹
福岡大学理学部基礎化学研究室
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呉 聖根
漢陽大学校化学工学科
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岡野 知道
ライオン株式会社
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安部 裕
ライオン株式会社
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中野 俊之
福岡大学理学部化学科
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堀田 大樹
福岡大学理学部化学科
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