血液透析患者のかゆみの指標としてのthymus and activation-regulated chemokine(TARC)の意義
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概要
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慢性血液透析患者ではヒスタミンH1受容体拮抗薬の内服にてもそう痒症を訴える既存治療抵抗性皮膚そう痒症透析患者(以下そう痒症透析患者)が認められる.そこで現在の痒みの状態を定量化するため,また,痒みの主観的感覚を客観的な数値に置き換えるために聴覚アナログ尺度(hearing analogus scale:HAS)を考案使用してHASと,ケモカインの一種であるthymus and activation-regulated chemokine(TARC)を検討した.その結果,両者の間で相関が認められ,全身的そう痒症の程度を示していると考えられるHASは,TARC値で代用することも可能であることが示唆された.実際にヒスタミンH1受容体拮抗薬内服に抵抗性のそう痒症透析患者2名にナルフラフィン塩酸塩2.5μgを内服したところ,HAS,TARC値は低下,そう痒感は減少し有用であった.
著者
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山田 吉広
安曇野赤十字病院臨床工学課
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須澤 大知
須澤クリニック
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熊藤 公博
安曇野赤十字病院臨床工学課
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袖山 孝徳
安曇野赤十字病院臨床工学課
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百瀬 光生
百瀬医院
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床尾 万寿雄
安曇野赤十字病院 腎臓内科
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島村 栄
安曇野赤十字病院臨床工学課
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棚岡 綾乃
安曇野赤十字病院臨床工学課
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浦野 浩明
安曇野赤十字病院臨床工学課
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