各種疾患牛における血清シアル酸濃度の動態
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概要
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各種疾患牛の血清シアル酸濃度の変動を観察し、各臨床検査値との相関を検討した。屠場や野外で診断された各種疾患牛85頭中63頭で血清シアル酸濃度は健康牛に比べて高い値を示し、特に肺炎や創傷性心のう炎の廃用例では著明であった。一方、脂肪壊死やケトージスなどの非炎症性疾患牛では健康牛とほぼ同じ血清シアル酸濃度であった。肺炎牛の経日的観察では、治癒例の血清シアル酸濃度は初診時から正常値か、または軽度な上昇を示し、その後は正常範囲内を推移したが、廃用例では初診時から観察期間中高値を持続した。この結果血清シアル酸濃度は症状の変化に伴って増減していることが明らかとなった。肺炎牛の血清シアル酸濃度とγ―グロブリン濃度の間には正の相関(r=0.773)が認められた。
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