フタスジヒメハムシMedythia nigrobilineata(Motschulsky)(コウチュウ目:ハムシ科)成虫の寄生蜂Centistes medythiae Maetô et NagaiおよびStereocera okadai Watanabe(ハチ目:コマユバチ科)の寄生率の季節的変動
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概要
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岡山県赤磐市で無農薬栽培したダイズにおいて,5月から10月まで,フタスジヒメハムシ成虫を採集して個体飼育し,本種成虫の捕食性内部寄生蜂による死亡率を調査した.同時に「吹き出し法」(永井,1982)によりフタスジヒメハムシ成虫の密度変動を調べた.フタスジヒメハムシ成虫にはCentistes medythiae Maetô et NagaiおよびStreblocera okadai Watanabeの寄生が5月から10月まで認められた.フタスジヒメハムシ成虫のコマユバチ科2種による平均死亡率は20%であった.フタスジヒメハムシ成虫へのコマユバチ類の捕食寄生は6月上旬,8月下旬および9月中旬を除いてほぼ連続して認められた.コマユバチ類の捕食寄生が原因で死亡したフタスジヒメハムシ成虫の割合は,5月上旬に採集した個体が50%と最も高く,次いで7月下旬の採集個体が43%と高かった.これらの時期以外に捕食寄生による死亡個体の割合が30%以上に達した採集時期は6月中旬,8月中旬,9月上旬および9月下旬にあった.フタスジヒメハムシ第3世代(越冬世代)成虫のピークは9月下旬に認められ,この時期に採集した成虫での寄生率は30%あり,また5月上旬に採集した越冬成虫での寄生率は50%と高く,コマユバチ科2種の寄生蜂はフタスジヒメハムシ越冬成虫の密度抑制要因として重要な働きをしていると考えられる.
著者
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