B6C3F1マウスにおけるアセトアミノフェンの長期経口投与の影響
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概要
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アセトアミノフェンは解熱,鎮痛剤として広く用いられている。しかし最近フェナセチンに癌原性がみいだされたため,その主なる代謝産物であるアセトアミノフェンについても癌原性の検索が必要となった。既にアセトアミノフェンの変異原性についての検索が行われ,Ames test (-), repair test (-), chromosome test (-), Silkworm test (-)の成績が得られている。このような現状に鑑み,アセトアミノフェンの亜慢性毒性および癌原性の有無を明らかにする目的で本研究を行った。<BR>アセトアミノフェンの5, 2.5, 1.25, 0.6および0.3%混合飼料を(C57BL/6×C3H/He) F1 (B6C3F1)マウスに経口投与したところ,5および2.5%投与群マウスの大多数は10週間以内に心筋梗塞あるいは肝臓萎縮で死亡した。1.25%投与群では41週後の屠殺時全例に肝線維症が認められた。<BR>この亜慢性実験の結果からアセトアミノフェンの最大耐量を0.6%混合飼料と決定し,0.6%およびその半量の0.3%混合飼料を雌雄のB6C3F1マウスに自由に摂取させ,136週間飼育観察した。体重曲線,飼料摂取量,死亡率,腫瘍発生率,腫瘍発生期間のいずれについても投与群と対照群の間に有意差は認められなかった。これらの結果から,アセトァミノフェンはB6C3F1マウスに対し癌原性を持たないものと決論した。<BR>この論文作成中に,FlaksおよびFlaksがアセトアミノフェンに造腫瘍性があると報告したので,彼等の実験結果と本研究の実験結果の相違について若干の考按を加えた。
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