ライフスタイルと嫌煙権意識(第3報)

概要

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「嫌煙権」意識は健康意識の一指標として有用である。そこで,われわれは大阪府下D市の住民(成人男女1,500名)を対象にアンケート調査を行い,ライフスタイル(日常生活習慣)と「嫌煙権」意識の関係を定量的に検討した。第一報において説明したように,「嫌煙権」意識は知識,意見および態度の三側面に分けて把握した。また,ライフスタイルの良否はBreslow,Bellocや森本らの研究成果をふまえ,8の日常生活習慣項目(喫煙,飲酒,朝食の摂取,睡眠時間,栄養バランス,労働時間,運動,ストレス)の合計得点(0-8点)によって一元的に把握した。本報では「嫌煙権」意識の意見側面とライフスタイルの関係,および「嫌煙権」意識の三側面とライフスタイルの関係について検討を加えた。以上の検討は,喫煙の有無と性別によって層別化された四群について行われた。その結果,女性(「女子喫煙者」「女子非喫煙者」)では「嫌煙権」意識の意見側面と知識側面,および,知識側面とライフスタイルの間に関連性が見られた。男性(特に,「男子喫煙者」)では意見側面と,ライフスタイルの間に関連性は見られなかった。これらの結果は,健康教育が女性の「嫌煙権」意識(特に,知識側面や間接的ながら意見側面)の向上に役立つ可能性を示唆しているものと考えられる。また,「女子喫煙者」群,「女子非喫煙者」群,「男子非喫煙者」群では,態度側面は,意見側面,知識側面,ライフスタイルとの間に関連性はなく,むしろこれら以外の要因との間に関連性が見られた。これは,「嫌煙権」意識の態度側面は健康教育によって改善することが難しいことを示唆したものと考えられる。

ライフスタイルと嫌煙権意識(第3報)

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