アクリル五十音盤使用によりQOLが向上した高齢麻痺性構音障害の1例
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概要
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多発性脳梗塞のため, 重度の麻痺性構音障害と四肢麻痺をきたし, 発話, 書字, 文字盤の指差しが不可能な高齢の一症例に対し, 有効なコミュニケーション手段を探った.まず, パソコンを用いた意志伝達装置の利用を試みたが, 「自分には無理」との理由で, 本症例には受け入れられなかった.そこで透明アクリル板に五十音表を記入し, これをはさんで患者と向き合い, 視線を合わせることによって患者がみている文字を同定する方法を導入した.訓練は患者の表出意欲を引き出すよう留意しつつ, 表出内容を長さ・聞き手の推測のしやすさ・抽象度の3点について, 表出場面を相手・場所の2点について, それぞれ段階づけて行った.その結果, 自発的使用に至り, あわせて関心の広がり, 障害に前向きに取り組む姿勢, 短歌作成といったQOLの向上にもつながった.
著者
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