精神分裂病患者の発話の非流暢性
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概要
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精神分裂病患者17名と健常者12名を対象に, 自発的発話 (質問応答, マンガ説明, 絵画叙述) と自動的発話 (文章音読, 単文復唱) 課題, 音声産生課題 (構音反復) を実施した.この結果, 精神分裂病患者の発話量は有意に少なく, 非流暢率は高かった.最も高い非流暢率を示したのは両群とも絵画叙述で, 文章音読の非流暢率は低く, 単文復唱ではほとんど非流暢性がみられなかった.非流暢性のタイプは, 精神分裂病患者では課題にかかわらずブロックが最も多く, ついでくり返し, 挿入が多かった.一方, 健常者の自発話では挿入が多く, 文章音読ではくり返しが主であった.また, 復唱時の話速度に差はなかったが, 構音反復率は精神分裂病患者の方が有意に低かった.以上の結果から, 精神分裂病患者の発話の非流暢性は認知―思考, 認知―言語および思考の言語化の過程の障害が関与することが考えられた.
著者
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