胸腔鏡下に切除した縦隔血管腫の1例
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概要
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症例は64歳の女性.近医受診時に胸部X線写真で異常陰影を指摘され,胸部CTで大動脈弓から左主肺動脈の左側に接する境界明瞭な5.0×3.5cmの腫瘤陰影を認めた.ダイナミックCTでは腫瘍の中央部と辺縁部に血管腔と同程度の強い造影効果を示した.血管腫,Castlemans disease,神経原性腫瘍,胸腺腫などを鑑別診断に考え,胸腔鏡下に手術を施行した.腫瘍は易出血性で,横隔神経を巻き込んでいたためこれを合併切除した.病理組織学的診断はcapillary hemangiomaであった.縦隔血管腫はまれな疾患であり,術前に正確に診断された症例は少ない.今回われわれは,多血性の前縦隔腫瘍に対して胸腔鏡下手術を施行し,縦隔血管腫と診断した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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