減圧ガスクロマトグラフィーについて
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概要
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カラム出口が大気圧に保たれる通常のガスクロマトグラフィーと,これが大気圧以下に減圧される減圧ガスクロマトグラフィーとを,カラムにかかる圧力降下を一定にした状態で比較実験して考察した結果,減圧ガスクロマトグラフイィーは,通常のガスクロマトグラフィーに比し,(1)常圧に換算したキャリヤーガス流量は減少する,(2)リテンション・タイムは短縮されない,(3)試料の気化に要する時間は短縮されないことを明らかにした.さらに(4)理論段数は一般に低下する,(5)充填剤の寿命は短くなる,(6)ガス流路におこる漏洩はベースライン変動の原因になる,などの点をあわせ考えるとディテクタ-における蒸気濃度が若干高くなるほかは,減圧ガスクロマトグラフィーは,通常のガスクロマトグラフィーよりも一般に劣っており,高沸点物質に対しても有効ではないと考えられる.