アンモニア緩衝溶液からチオアセトアミドによる硫化ニッケルの沈殿速度と定量的分離について : チオアセトアミドによる金属硫化物の分析化学的研究(第3報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アンモニア-硝酸アンモニウム緩衝溶液から,チオアセトアミドによる硫化ニッケルの沈殿反応,CH<SUB>3</SUB>CSNH<SUB>2</SUB>+2NH<SUB>3</SUB>+Ni<SUP>2+</SUP>→CH<SUB>3</SUB>C(=NH<SUB>2</SUB>)NH<SUB>2</SUB>+NiS+NH<SUB>4</SUB><SUP>+</SUP>の速度をアンモニア濃度約0.4〜1.2<I>M</I>,温度50〜80℃にわたり測定した結果,実験速度式-<I>d</I>[Ni]/<I>dt</I>=<I>k</I>[CH<SUB>3</SUB>CSNH<SUB>2</SUB>]=(<I>k</I><SUB>OH</SUB>{OH<SUP>-</SUP>}+<I>k</I><SUB>b</SUB>[NH<SUB>3</SUB>])[CH<SUB>3</SUB>CSNH<SUB>2</SUB>]を得た.イオン強度0.5,65℃において<I>k</I><SUB>OH</SUB>=27.4<I>l</I>/mol・min,<I>k</I><SUB>b</SUB>=1.26×10<SUP>-2</SUP><I>l</I>/mol・min,沈殿反応全体のたについて活性化エネルギーは<I>E</I><SUB>A</SUB>=16,000cal/molである.中性塩添加による二次塩効果のあること,一定のpHにおいてイオン強度を増加させるとアンモニアの活量が減少する結果速度が小さくなることを認めた.さらにチオアセトァミドよりハイドロサルファイドへの分解反応と比較検討した結果,沈殿反応はプロトンの移動を律速段階とする一般廃基触媒反応であることを認めた.また,本法によれば硫化ニッケルの沈殿はHexagonal,NiAs型の結晶蟻として得られることを見いだした.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
著者
関連論文
- 均質溶液からの沈澱法による金属硫化物の定量に関する研究(第1部) : アンモンニア緩衝溶液からチォアセトアシドによる硫化ニッケル・亜鉛・コバルトの沈澱速度と定量的分離について
- チオ尿素による金属硫化物の分析化学的研究(第2報) : 銅及びカドミウムの分離について
- 無機ペーパー非分配クロマトグラムにおける吸着帶の巾について
- アンモニア緩衝溶液からチオアセトアミドによる硫化ニッケルの沈殿速度と定量的分離について : チオアセトアミドによる金属硫化物の分析化学的研究(第3報)
- チオアセトアミドによる硫化鉛および硫化カドミウムの均質溶液からの沈殿法 : チオアセトアミドによる金属硫化物の分析化学的研究(第2報)
- チオアセトアミドの酸性溶液における硫化水素の発生速度について : チオアセトアミドによる金属硫化物の分析化学的研究(第1報)
- タイトル無し