示差熱分析による実用ガラスの諸特性点の検出
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概要
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ガラスの加熱による状態変化はきわめて広い温度域を示し,その間に工業的に重要な種々の特性点が存在する.<BR>これらの特性点は従来から多くの方法で測定されているが,広い温度域にわたる一貫した測定の困難さから,部分的に限られた温度域で粘度測定,熱膨張測定などが実用されている.そこで,常温からガラスが融液となる高温まで連続して測定できる手段として示差熱分析を取り上げ,その吸発熱特性から,通常は粘度で規定されている各種の特性点を求めることを試みた.<BR>示差熱解析的に考察して,各種の実用ガラス(鉛ガラス,ソーダ石灰ガラス,ホウケイ酸ガラス,無アルカリガラス,光学用ガラス)について得られたDTA記録の示す吸発熱変化から,転移点t<SUB>g</SUB>,徐冷点t<SUB>s</SUB>,軟化点t<SUB>soft</SUB>,変形開始点M<SUB>g</SUB>,焼結点t<SUB>sint</SUB>,流動点t<SUB>f</SUB>,作業点t<SUB>w</SUB>などが求められることを示し,これらから逆に粘度-温度曲線を作ることも可能であることを示した.