亜鉛末中の酸化亜鉛の定量
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概要
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亜鉛末中の酸化亜鉛の定量は従来塩化第二鉄溶液による簡易定量法によっていたが,この方法では,酸化亜鉛が微量の場合精度がわるく不正確である.試料中の金属亜鉛は水素気流中で水銀とアマルガムを生成させ,酸化亜鉛は塩化アンモニウムとアンモニア水の混合液で溶解し,これをポーラログラフ法により定量することにより,よい精度で正確に定量することができた.<BR>本法の精度は亜鉛末中の酸化亜鉛含有量0.1%に対し変動係数は約8%であった.<BR>本実験の結果をまとめると下記のとおりである.<BR>(1)亜鉛末中の酸化亜鉛は,酢酸アンモニウム,塩化アンモニウム,およびアンモニア性塩化アンモニウムのいずれにも溶解する.<BR>(2)酸化亜鉛の溶解に際し,あらかじめ水銀を加えておき,容器中の空気は水素あるいは窒素ガスで置換しておけば,金属亜鉛は溶解しない.<BR>(3)空気を駆逐するための水素ガス通気時間は3分間以上が必要で,水銀添加量は5m<I>l</I>でじゅうぶんである.<BR>(4)溶解に際し,加温の必要はない.<BR>(5)本法の精度は,0.1%酸化亜鉛程度で変動係数は約8%程度である.