金属タンタルおよび酸化タンタル中ニオブの吸光光度法 : ヘキソン分離-ニオブチオシアン酸錯塩-酢酸エチル抽出
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概要
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金属タンタルおよび酸化タンタル中の微量ニオブ定量法として,チオシアン酸錯塩による吸光光度法を研究した.本実験の主要点は次のとおりである.<BR>(1)ニオブの発色および抽出条件について,次のような試薬添加量で最高の吸光度を示すことを確認した.塩酸(1+1)20m<I>l</I>,ホウ酸(5%)10m<I>l</I>,塩化第一スズ(20%)10m<I>l</I>,チオシアン酸アンモニウム(20%)20m<I>l</I>,抽出時の酸層70m<I>l</I>,酢酸エチル20m<I>l</I>,また,この抽出法によれば従来行なわれていたエチルエーテル抽出法の欠点である,水分による有機層の懸濁および呈色の不安定性などは解消できる.<BR>(2)微量ニオブから主成分のタンタルを分離するには,フッ化水素酸および硝酸濃度をそれぞれ0.5<I>N</I>および1<I>N</I>とし,ヘキソン(メチルイソブチルケトン)溶液で抽出する.この方法は従来使用されているイオン交換分離法に比較して迅速にタンタルを分離できる.<BR>(3)試料1gを採取した場合,本法の定量下限は約0.001%Nbと推定される.