14MeV中性子放射化分析法によるフッ素,酸素の非破壊同時定量 : 二重照射法の応用
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概要
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14MeV中性子による<SUP>16</SUP>O(n,p)<SUP>16</SUP>N反応を利用した酸素の放射化分析において,フッ素が共存すると<SUP>19</SUP>F(n,α)<SUP>16</SUP>N反応により同一核種が生成するため,フッ素は酸素の定量を著しく妨害する.ところが<SUP>16</SUP>Nを生成する両核反応のしきいエネルギーに差があることに着目し,二重照射法を適用したところ,フッ素と酸素が同時定量できることを確認した.本法はモデレーターを用いるため微量分析には適さないが,ホウ素を多く含まない物質中の約1%以上のフッ素,酸素の定量に使える.シュウ酸ナトリウムとフッ化ナトリウムを混合した合成試料やほたる石などの実際試料に応用したところ良好な結果が得られた.この方法はフッ素と酸素の放射化分析において,互いの妨害を避けるための非常に有効な手段であり,実用面での利用も期待できる.
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