トリプトファン代謝物に対する二層一次元薄層クロマトグラフィー : 一次元薄層クロマトグラフィーとの比較検討
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概要
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通常の一次元薄層クロマトグラフィーでは薄層プレートに塗布した試料のスポットが大きかったり,塗布量が過大であると展開後の分離に悪影響を与える.この悪影響の除去法をトリプトファン代謝物を用いて調べた結果,次に述べる二層一次元薄層クロマトグラフィーが有効であることがわかった.<BR>脱活性キーゼルグール(試料塗布層)とシリカゲル(試料分離層)の両薄層からなる薄層プレートを作製する.このプレートを加熱活性後,試料塗布層に試料を塗布し,クロロホルム-メチルアルコール-酢酸(75:20:5,v/v)または酢酸メチル-イソプロピルアルコール-28%アンモニア(45:35:20,v/v)を用いてシリカゲル層上10cm展開する.分離した試料成分の検出は紫外線照射下のけい光により行なう.<BR>本方法とシリカゲルを用いた通常の一次元薄層クロマトグラフィーとを比較した結果,後者で不良な分離パターンしか与えない試料塗布条件下でも本法は良好な結果を与えることがわかった.これは,たとえ試料塗布層に試料を大きく塗布しても,二層境界でいったん細い帯状スポットになってからシリカゲル層上で各成分に分離するため,常に縦幅の小さな分離スポットが得られるためであることがわかった.<BR>また,本方法をFesslerらやTruterの方法,さらには通常の薄層クロマトグラフィーと比較考察し,その特徴を明らかにした.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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