エチレンジサリチル酸を沈殿剤とする鉛のEDTA滴定
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概要
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エチレンジサリチル酸はかなり高い選択性をもって鉛を定量的に沈殿させるので,試料中に主成分の一つとして含まれる鉛をこの試薬を用いて分離したのち,EDTA滴定によって定量することを試みた.<BR>pH4〜5の鉛の溶液にエチレンジサリチル酸のアルコール溶液を加え沈殿を濾過する.この沈殿を1<I>N</I>硝酸で分解し,pH10においてBT,pH9または12においてMTBを指示薬としてEDTA溶液で滴定する.<BR>鉛の完全沈殿pH範囲,エチレンジサリチル酸錯塩をつくるときの各種共存イオンの影響,この試薬による各種イオンの沈殿性などを調べたのち,鉛-バリウムガラス標準試料について鉛の定量を行ない良好な結果を得た.<BR>この方法によればバリウムの共存下においても鉛を分離定量することができる.他面本法では他の金属イオンの共存許容量が少ない場合があるので,妨げになる場合にはあらかじめそれらを除去しておく必要がある.