けい光X線法によるアルミニウム合金中のマグネシウムの定量
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概要
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アルミニウム合金中に含まれるマグネシウムのけい光X線分析を行なう際にMgK<SUB>α</SUB>強度はマグネシウム含有量のみによって定められず,亜鉛,銅,ニッケルなどの重金属によるMgK<SUB>α</SUB>の吸収のために強度が低下する.松村らの式ないしAndermannの式と質量吸収係数の文献値を用いて補正すると亜鉛の場合を除いては補正が過大になり,分析値に正のかたよりを与えることがわかった.これは用いた質量吸収係数の値に疑問があるためと思われた.そこで実験的に補正式を求めたが,補正式としては分析における便宜を考えて亜鉛,銅およびニッケルの重量分率のみを補正項として含むものを導いた.得られた補正式に基づいて多元合金や市販標準試料の分析を試み,ほぼ満足すべき結果を得た.しかし鉄が多量に存在する場合には鉄によるMgK<SUB>α</SUB>の吸収に加えて試料中における鉄の不均一分散のために分析値に誤差を生じた.