トリエタノールアミンと鉄(III)を用いるウルシオールの新吸光光度定量法 : トリエタノールアミンと金属イオンを用いる分析(第2報)
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概要
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ウルシオールの吸光光度定量法はまだ報告されていない.しかし,エチルアルコール中において,過剰のトリエタノールアミン(以下TEAと略記)の存在で生成するとみられるTEA-鉄(III)-ウルシオールキレートは安定な青緑色を呈する.そこで,この性質を利用してTEA緩衝液中でウルシオールを定量するための基礎的条件を検討した.この場合のウルシオールキレートは445nmおよび625nm付近に吸収極大があり,この両吸収極大においてもウルシオールと鉄(III)については1:1のモル比で反応しているものと推定された.ウルシオール溶液5m<I>l</I>に試薬緩衝液4m1を加え,これをエチルアルコールで10m<I>l</I>とし,20℃における吸光度を625nmで求める.ウルシオール1000μgまでベールの法則に従い,見かけの分子吸光係数は1750であった.また,吸光度は12時間過ぎまで変化しなかった.この新法は簡単,迅速正確であり,漆液中の水分,糖類,有機酸およびオイルの影響がまったくない.そこで,この方法を生漆中のウルシオールの定量に応用し,変動係数0.4%のよい結果を得た.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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