硫化アルカリ還元におけるα-ニトロナフタレンおよびα-ナフチルアミンの分析法の検討 : 硫化アルカリ還元に関する研究(第2報)
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概要
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α-ニトロナフタレンの硫化アルカリ還元反応において,この反応の挙動を追跡するため,反応系中のα-ニトロナフタレン,α-ナフチルアミンを分離定量することが必要である.これらの分離定量法として,ガスクロマトグラフィーを用い,まずガスクロマトグラフィーによる分離条件を検討した結果,良好な結果が得られた.次にこの分離したものを定量する場合,次のような条件を満たさねばならない.つまりこの反応は,硫化物水溶液と被還元物質の油状物からなる不均一系反応である.そして副反応物は,硫化物の水溶液に可溶性のものもあり,複雑な系を示すため,反応系中のα-ニトロナフタレンおよびα-ナフチルァミンを定量するには,有機油状物質の全重量をはかったのち,この油状物質中の各成分の含有量を求めなければならない.このように有機油状物質の全重量をはかれば定量ができるが,連続的に反応を追跡する場合,反応を止めて全重量をはかることは好ましくない.そこで反応を止めず,全重量もはからないで定量できるような方法を確立しようとした.この結果,反応系中にガスクロマトグラフィー用の標準物質としてナフタレンを添加しておけばこの標準物質により反応系から採取した任意量(約2g)の試料中のα-ニトロナフタレンおよびα-ナフチルアミンを定量できることがわかった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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