9, 9-ジハロゲン-3, 3-ジベンゾアントロニルの合成 : ジビオラントロニルに関する研究 (第2報)
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概要
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大分子量色素ないし電気半導体として, 物性的に興味あるジビオラントロニル合成の中間物である9, 9-ジハロゲン-3, 3-ジベンゾァントロニル類を合成した。いずれも黄色の微結晶で, 濃硫酸に溶けて暗赤色を呈する。<BR>α-ナフチル-<I>m</I>-クロルフェニルケトンの塩化アルミニウムによる閉環, または4, 9-ジクロルベンゾアントロンの部分還元により得た9-クロルベンゾアントロンを二酸化マンガンにより縮合し, 3, 3-ジベンゾアントロニル (6) の9, 9-ジクロノレ誘導体を得た。mp 442〜5℃。また9-アミノベンゾアントロンの濃硫酸中のGriess反応により, 88%の高収率で9-ヨードベンゾアントロンを得た。mp197〜9℃。しかしこの物質の酸化縮合の反応性ははなはだ貧弱で, 19%の収率で (6) の9, 9-ジヨード誘導体を得たに過ぎない。mp416〜8℃。<BR>つぎに (6) を過剰の臭素中で反応させ, 64%の収率でジブロム誘導体を得た。mp441〜4℃。これはすでに9-プロムベンゾアントロンの酸化縮合で得た (6) の9,9-ジブロム誘導体と同一物質であった。ハロゲン化アルミニウムなどの触媒の存在における (6) の臭素化についても研究を行ない, 低収率ではあるが, 9, 9-ジブロム誘導体を得た。
- 社団法人 有機合成化学協会の論文
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