第1回日ソ・フッ素化学セミナー報告記
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概要
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去る1979年2月15および16の両日, 第1回日ソ・フッ素化学セミナー (The First Regular Meeting of Soviet-Japanese Fluorine Chemists) が東京新宿の京王プラザホテルにおいて開催された。このセミナーの主催者はソ連側が科学アカデミー・一般および工業化学部会であるのに対し, 日本側は当有機合成化学協会・フッ素化学部会であるので, いささか旧聞に属するが誌上をお借りして簡単な報告を述べさせていただくことにした。<BR>このセミナーの発端になったのは1976年に京都で開かれた第8回国際フッ素化学シンポジウムにさいして来日されたソ連化学者団の代表, 科学アカデミー会員 A. V. Fokin教授と筆者との間で, 将来両国間におけるフッ素化学者の交流をさかんにしたいとの意見の一致を見たことにはじまる。原子力や宇宙材料の開発が進むにつれ, ソ連のフッ素化学がいちじるしく進歩しつつあることが文献の上で察知されていたが, 化学者間の直接の交流がほとんどみられなかったのをかねがね残念に思っていたからであった。以来, 幾度かの文通によって日ソセミナーの準備が着々進行し, 1977年6月にはわれわれ4名の日本側フッ素化学者がモスクワに招待され, 第1回を東京で開くなどの同意書に調印するに至った。その後, 橋本宇一先生を委員長とする組織委員会がつくられ, 日本側主催者として当協会フッ素化学部会とすることについて当協会理事会の承認をうることができ, また日本万国博覧会記念協会からの補助金を得て, 無事セミナーを終了することができた。<BR>この第1回セミナーではソ連側から5件, 日本側から6件の研究報告が行われ, 学界, 業界から60余名の参加者を得て討論も活発であった。特にわが国ではまったく行われていない新しいフッ素化学の分野に関するソ連側の発表は, ややたちおくれの感のつよい日本側フッ素化学者にとって新鮮な印象を与え, 啓発されるところ大であったと言える。<BR>以下に, 発表された研究のあらましを述べるが (報告順), さらに詳細をご希望のかたはProceedingをごらんいただきたい (1部送料とも2,000円。当協会フッ素化学部会あてお申しこみください) 。
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