氷の摩擦電気と, 摩擦による氷面の変化
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概要
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2本の氷棒を不均等に摩擦する時,摩擦点が移動する方の氷棒は正に帯電し,摩擦点が移動しない方の氷棒は負に帯電することは,すでに知られている.この摩擦電気は,2本の氷棒の二つの摩擦点の温度差が原因で発生すると考えられている. (摩擦点が移動する方の接触点は,摩擦点が移動しない方の接触点より暖かくなる.)<BR>以上の様な氷棒の摩擦電気実験を,著者等は低温室内でいろいろの温度に分けて実験した.また,摩擦面の構造の変化を偏光顕微鏡で観測し,そして次のような結果を得た.<BR>1.-10℃より冷たい室温では,温かい方の氷は定説と同じように負に荷電した.しかし,摩擦を継続すると荷電符号は逆転した.<BR>2.-5℃より暖かい室温では,温かい氷は摩擦回数の初期的段階から荷電した.これは定説と反対の結果であった.<BR>3.定説と反対に荷電する時,温かい氷の摩擦面は,多数の細胞状の模様を呈して単結晶から多結晶に変化していた.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
著者
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