熱サイホン発電

概要

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エネルギー・資源としての雪の利用を目指し, 熱サイホンの原理を応用した発電システムを考案した.低い位置の蒸発器と高い位置の凝縮器が2本のパイプで継がれた.内部の空気を排除して268Pa以下の真空とし, 作業物質として低沸点・低気化熱のフロンを用いた.凝縮器を雪解け水で冷却し, 蒸発器を加熱すると, 沸騰したフロンガスが一方のパイプを上昇し, 凝縮器で液化して他方のパイプを流下して持続的な還流が生じた.熱サイホン発電はこの流下するフロンの力で水車を回し, 発電するものである.<BR>フロンの気化熱は46〜185 kJ/kg, 雪の融解熱は334 kJ/kgであるから, 1 kgの雪の融解熱で1.8〜7.3 kgのフロンガスを凝縮器で液化させることができる.フロンのような低沸点の作業物質を用いれば比較的温度の低い地熱や温泉水などを熱源として利用できるであろう.<BR>以上のような考えにもとづいて, ガラス製の小型熱サイホンを試作して管内のフロンの熱特性, 運動特性を調べた.次に, 落差15 mの装置により1 Wの発電を行って, 発電原理の実証を行った.