凍土内アィスレンズの消長と移動に関する室内実験
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概要
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飽和土の凍結に伴なう凍土内の局所凍上と水分移動を測定する目的で室内凍上実験を行なった。試料土は, 東京都干代田区で不撹乱の状態で採取した爼橋 (まないたばし) 粘土である.供試体長は約6cm, 直径は10cmである.供試体上面からの水分の出入を自由に行なえる開放系で拘束応力を零, 上下面温度を各々4℃, -8℃の条件を6044時間保って凍土内アイスレンズの消長と移動を観測した.<BR>熱的にはほぼ平衡に達した後も吸水を伴なう凍上が実験期間中継続し, 凍土内では複数のアイスレンズが成長した.これ等のアイスレンズの内凍結面に近い2つのアイスレンズは変化が激しく興味ある挙動を示した.凍結面に一番近いアイスレンズが最初厚みを増すが時間の経過とともに厚みを減じ遂には消失する現象, 最初透明なアイスレンズであったものが白濁化する現象, 凍土内では復氷によって水分が移動する事等が示される.又, 復氷速度から凍土の透水係数を推定できることが示される.
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
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