北海道知床半島におけるなだれ堆積地の特徴
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概要
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北海道知床半島で, 夏季になだれ堆積地が観察された.堆積地は長大な土錐の形状を呈しており, その規模は, 全長約230m, 幅約20m, 高さ4~6mであった.<BR>土錐は, 表面が厚さ10~15cmの土砂石層となっており, 内部は全て自然積雪であった.<BR>土砂石層は, ほとんどが火山砕屑物より構成され, なかに, 直径20~40cmの礫や, ハイマツの小枝が多数混入していた.表面を被った土砂石の量は, およそ1,000m<SUP>3</SUP>であった.<BR>このなだれは, 発生後, かなりの期間を経ても堆積形態を残していたことから, デブリが雪と多量の土砂石とから構成されていたものであり, 雪岩型なだれとでも表現すべきものであっただろうと推定される.<BR>この種のなだれによる作用は, 積雪寒冷山地における侵食や土石移動現象の実態とその特徴を明らかにしていく際に, 重要な手がかりになるものと思われる
- 社団法人 日本雪氷学会の論文
著者
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