クロストリジウム菌による肝膿瘍の1剖検例
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概要
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68才,男性.主訴は上腹部痛,発熱,呼吸困難.胸部X線像上右横隔膜直下にfree airを認め,血液検査上溶血が著明であった.来院時既にショック状態であり,急激な経過で死亡,剖検にて,腹腔内の多量のガス貯留,肝,心筋,肺,骨,消化管の出血,壊死,および多数の桿菌を認めた.これらの病変は特に肝において著明であり,膿瘍形成を伴い,肝壊死巣および血液培養よりClostridium perfringensおよびE coliが同定された.本症例は長期の糖尿病経過中であり,免疫力低下状態を背景として自然発症したものと推測された.ガス壊疽の剖検例は極めて少なく,貴重な症例と思われたため,病理学的所見を中心に報告した.
著者
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鎮西 忠信
加古川市民病院
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前田 光雄
加古川市民病院内科
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岡田 究
加古川市民病院内科
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山城 主計
加古川市民病院内科
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鈴木 和文
加古川市民病院内科
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中野 修
加古川市民病院内科
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大北 実
加古川市民病院内科
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三浦 正樹
加古川市民病院内科
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穂積 俊樹
加古川市民病院内科
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春井 正資
加古川市民病院臨床検査科
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