食塩持続負荷の血圧,血漿ノルエピネフリン濃度,血漿レニソ活性およびアルドステロソ動態に及ぼす影響 : 正常血圧者ならびに本態性高血圧症患者についての検討
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概要
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本態性高血圧症患者に対する食塩持続的経口負荷の影響を調べるため,入院安静と軽度食塩制限(6g/日)により血圧15G/90mmHg以下に下降した本態性高血圧症患者(高血圧群) 11例,ならびに正常血圧対照者(正常血圧群) 11例に5日間の食塩負荷(16g/日)を行ない,血圧, Na平衡,血漿レニン活性(PRA),血漿ノルエピネフリン濃度(PNE)およびアルドステロンの血漿濃度(PA)ならびに尿中排泄量の変化を比較した.食塩負荷により血圧は正常血圧群では変化しなかつたが,高血圧群では有意に上昇した. Na平衡(蓄積量)には両群で差がなかつた. PRAおよびPNEは両群で同程度低下し,血圧と一定の関係はなかつた. PAおよび尿中アルドステロン排泄量の減少の程度は高血圧群で正常血圧群より有意に少なかった(いずれもp<0.05).PA変化率とPRA変化率の比は,高血圧群で正常血圧群より有意に小さかった.また, PAの低下の少ない例ほど血圧上昇は大であつた(r=0.66, p<0.01).以上の所見は,本研究で対象とした本態性高血圧症患者の血圧は食塩摂取量に明らかな依存性を有すること,および本症患者ではNa平衡の変化に対応するアルドステロン分泌調節に障害があり,これは,一部,本症患者でみられた血圧上昇に関与すると考えられる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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