Mixed cryoglobulinの補体活性化に関する研究
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概要
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慢性肝疾患,自己免疫疾患などに高率に出現するmixed cryoglobulinの補体結合能について,とくに血清と血漿の補体価解離現象との関連,およびmixed cryoglobulinの補体結合能の相違を中心に検討した.対象はmixed cryoglobulin陽性例で,補体価解離例16例,非解離例6例の計22例である. mixed cryoglobulinによる正常血清および血漿の補体の活性化,消費の実験より,補体価解離現象は補体結合能を有するmixed cryoglobulinによるclassical pathwayの活性化が原因と考えられた.次にmixed cryoglobulinの補体結合能を相違の原因を検討するために,補体価解離例のcryoglobulin3例と非解離例のcryoglobuhn3例を超遠心分析した.その結果,補体価解離例のcryoglobulinではIgM 1molにlgGが30.8, 20.8, 15.4mol結合しており,かつClqが大量に認められた.これに反し補体価非解離例のcryoglobulinではIgM 1molにIgGが3.8, 4.8, 9.2molしか結合しておらず, Clqも検出できなかつた.この結果より, mixed cryoglobulinの補体結合能はmixed cryoglobulin中のIgG(抗原)とIgM(抗体)の結合比が密接に関係していることが判明した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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