血液透析中に発症した出血性肺炎の2症例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
びまん性肺出血は,全身性エリテマト-デス, Goodpasture症候群,急速進行性糸球体腎炎などのように腎障害に伴つて発症することが多い.しかし,慢性腎不全患者の血液透析中にびまん性肺出血を発症し,急速に死亡した症例の報告は過去にみあたらない.我々は,漫性糸球体腎炎の末期状態で血液透析中にびまん性肺出旗を発症し,急速に死亡した2症例を経験したので,その発症機序について若干の考察を行なつた.この2例に限つてびまん性肺出血を起こした誘因としては,第1例では大量のprocainamideの投与と心不全の合併,第2例については大動脈症候群の合併が考えられる.いずれも肺組織に著明なIgGの沈着を認めたが,これは正常肺にも認められることでもあるために特異的な断見とは言えず,さらに検討を要する.また, 2例共,急速に呼吸不全状態に陥り,わずふ2〜3週間の経過で,いわゆる成人呼吸窮迫症候群で死亡しており,治療法についても今後の検索が必要と思われる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
-
関口 進
川崎市立井田
-
関口 進
川崎市立井田病院病理
-
塚本 玲三
川崎市立井田病院循環器科
-
塚本 玲三
川崎市立片田病院内科
-
野村 正征
川崎市立片田病院内科
-
則末 栄巳
川崎市立片田病院内科
-
柴垣 昌功
川崎市立片田病院内科
-
福井 俊夫
川崎市立片田病院内科
-
桑島 実
川崎市立井田病院病理
関連論文
- HLA検査 (臨床検査・臨床研究に役立つリンパ球検査の技術と問題点-2-機能検査編) -- (その他の検査法)
- 腎移植について : Folkert O. Belzer教授をかこんで
- (6) 喀血を主訴とした結節性陰影(第 17 回関東気管支研究会発表抄録)
- 副腎スキャン,超音波診断,副腎静脈撮影により局在性診断した褐色細胞腫症例 : 第363回東京地方会
- Pacing interval (magnet rate) がgenerator (lithium)の完全消耗まで減少しなかった1例 : 日本循環器学会第104回関東甲信越地方会
- 血液透析中に発症した出血性肺炎の2症例
- HLA Antigens in Systemic Lupus Erythematosus