B型ウイルス肝炎に対するインターフェロンの治療効果(第1報)インターフェロンの少量投与による検討
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概要
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B型ウイルス肝炎におけるヒト白血球インターフェロン(HLIF)の治療効果を,今回は少量投与法を用いて検討した. 1) HBsAg抗原陽性肝疾患患者12例およびHBウイルス健康保有者1例に, HLIF5×104単位の1回筋注投与を行ない,経時的にHBsAg抗原量の変動を観察した結果, 13例中3例に投与後6〜12時間においてHBsAg抗原量の低下が認められ, 48時間後には投与前値にもどつた. 2)上記患者のうち10例のHBsAg抗原持続陽性患者に, 100×104, 50×104, 20×104および10×104単位HLIFを1週に1回,計4週の総量180×104単位を筋注投与した. HBsAg抗原は10例中5例に持続性あるいは一過性に低下した.うち1例では完全なHBsAg抗原の陰性化と同時に, HBs抗体の出現を認め,肝組織像においても改善を認めた.また, 3例のHBe抗原陽性例中2例が陰性化した. DNApolymerase活性値は,測定しえた4例中3例に低下を認めた.肝機能検査成績では,血清トランスァミナーゼ値は高値を呈した5例全例に, γ-GTP値は5例中4例に低下を認めた.以上の成績より, HLIFはHBs抗原陽性肝疾患患者に治療効果を有し,少量のHLIFでも症例により有効であることが示唆された.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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近藤 元治
京都府立医大病院第1内科
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吉川 敏一
京都府立医大 生体機能制御学
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岸田 綱太郎
京都府立医大微生物教室
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竹村 周平
京都府立医大第3内科
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松村 直幸
京都府立医科大学第一内科
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古川 泰正
京都府立医科大学第一内科
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福本 圭志
京都府立医科大学
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渡辺 幸市
京都府立医科大学第一内科
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吉川 正哉
広島大学陵学部第一内科
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川上 広育
広島大学陵学部第一内科
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岸田 綱太郎
京都府立医科大学微生物
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福本 圭志
京都府立医科大学第一内科
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松村 直幸
京都府立医科大学第1内科
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古川 泰正
京都府立医科大学第1内科
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