T cell悪性リンパ腫の臨床
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概要
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近年,悪性リンパ腫の腫瘍細胞をその表面形質から分けてみる観察が行なわれ,当九州地方は我国の他地方に比べても,西欧諸国に比べてもT cell型が多いという事実が判明してきている.われわれの経験例106例中T型は79例(74.5%),うち49例(62%)が白血化例である.このT cell型白血性悪性リンパ腫例を中心に,臨床像の特徴的な事項についてのべた. T cell型白血性悪性リンパ腫の多くは成熟型リンパ球の性格を有する異常細胞を主体とし,若干の幼若細胞を交えて白血化する.これらの白血化細胞は核形態に特徴的変化を示し,組織構成細胞とその分化レベルは必ずしも一致しない.臨床像としては臓器浸潤性が強く,皮膚病変,肝障害,高Ca血症などを来しやすいが,リンパ節腫脹はむしろ軽度である.主としてT細胞機能不全による免疫不全を伴い,感染症を合併しやすく,特殊な感染症が多くみられる. T cell悪性リンパ腫に関連する地理病理学的意義,家族発生例,周辺疾患との関係,腫瘍細胞自体のもつ問題点など若干の問題についてのべた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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