労作性狭心症における運動負荷時の心機能の検討 : その1エルゴメーター運動負荷と等尺性運動負荷の比較
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概要
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本研究の目的の第1は, dynamic exerciseで狭心症を誘発した時の血行動態の推移を観察すること.第2は,狭心症を誘発しないstatic exerciseの血行動態を観察すること.第3は, dynamic exerciseとstatic exerciseの成績を比較することである.対象は正常冠動脈と考えられるコントロール群(C群)6名と,冠動脈病変を有する労作性狭心症群(A群)11名の計17名である.安静時の成績は両群間で差を認めなかつた. dynamic exerciseは臥位エルゴメーターで行なつた. C群は運動時,左室仕事係数(SWI)は増加し,左室拡張充満期圧(LVFP)は微かの上昇であつた. A群は2型に反応が分かれた.軽症冠動脈病変のA-I群は当初SWIは増加したが,狭心症発現に伴い減少し, LVFPは上昇した.重症冠動脈病変のA-II群は当初よりSWIは殆ど増加せず,狭心症発現に伴い前値以下に減少し, LVFPは著しく上昇した. static exerciseはハンドグリップで行なつた. C群はSWIは増加しLVFPは微かの上昇に留まつた. A群はSWIがA-I群では不変, A-II群では減少した. LVFPはA群で上昇が著しかつた. dynamic exerciseとstatic exerciseの機能的重症度をδSWI/δLVFPで表わし,比較検討した.両者は良い相関r=0.641(P<0.01)を示し,それはまた冠動脈病変の重症度とも良い相関を示した.以上より,労作性狭心症でdynamic exerciseとstatic exerciseは異なつた負荷方法であるにもかかわらず同傾向の血行動態変化を示し,機能的重症度を表わす検査法として臨床的に有用と考えられた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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