労作性狭心症における運動負荷時の心機能の検討 : その2ニトログリセリンとジギタリスの影響の比較
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概要
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労作性狭心症9名を対象に,臥位エルゴメーターにより狭心症を誘発した際の血行動態変化を観察し,ニトログリセリン(NTG)と急速ジゴキシン(DOX)投薬時の影響を同等負荷量で各投薬後に行ない,その血行動態を比較した. NTGは0.3mgを舌下し, DOXは0.375/0.5mgを静注した.狭心症の発現が,投薬前では全例に, NTG投薬時には3名に軽く, DOX投薬時は全例に認められた.ダブルプロダクトと心係数は,投薬前と各投薬後で差を認めなかつた.左室仕事係数の運動による変化値(△SWI)は,投薬前には-5±20g-m/M2と減少したが, NTG投薬時は+30±17g-m/M2と投薬前より有意に増加した(P<0.01). DOX投薬時は+6±14g-m/M2と投薬前と差を認めなかつた.左室拡張充満期圧の変化値(△LVFP)は投薬前には+21±9mmHgと著しく上昇したが, NTG擦時は+5±5mmHgと投薬前より著しい低値に留まつた(P<0.001). DOX投薬時は+21±8mmHgと投薬前と差を認めなかつた.また肺動脈圧(mPAP)はLVFPと同様の成績であつた.△SWI/△LVFPは投薬前-0.1±0.9, NTG投薬時14±11, DOX投薬時0.4±1.0であり, NTG投薬時は投薬前より高値を示した(P<0.01),以上より,労作性狭心症において運動による誘発狭心症の一過性の心機能不全に対して, NTGは狭心痛の予防軽減に加えて,血行動態上では, LVFPとmPAPの低値が特徴的であり, SWIも改善した.一方DOXは,狭心痛の軽減に無効であり,血行動態上の改善も認められなかつた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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