Mucocutaneous lymphnode syndrome (MCLS)の成人2症例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Mucocutaneous lymphnode syndrome (MCLS,川崎病)は小児,特に4才以下の乳幼児に好発する原因不明の急性熱性疾患である.致命率は0.5〜1%でその大部分が冠状動脈瘤の血栓性閉塞によるものである.今回我々はMCLSと思われる成人2症例を経験した.第1例,第2例とも22才の男子でともにMCLS診断基準の主要6症状,すなわち, (1)原因不明の5日以上続く発熱, (2)手足の硬性浮腫,掌蹠ないしは指趾先端の紅斑,爪皮膚移行部からの膜様落屑, (3)水疱,痂皮を形成しない不定形発疹, (4)両側眼球結膜の充血, (5)口唇の紅潮,口腔咽頭粘膜の発赤, (6)非化膿性頚部リンパ節腫脹,をすべて満足していた.有熱期間はそれぞれ24日間, 34日間と長期であつたが等に心合併症もなく冠状動脈撮影でも正常であつた.近年,本邦でこのほかに2例の成人MCLS症例の報告があり,その2例はともに冠状動脈瘤が確認されている.小児のMCLS症例は年々増加しているが,我々ののこの報告が契機となつて成人例も同様に増加するのではないかと思われる. MCLS既往は動脈硬化のrisk factorとなる可能性もあり,さらに若年者心筋硬塞の一原因ともなりうると考えられる. MCLSは小児科領域のみならず内科領域においても今後等閑視できない疾患となるであろう.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
関連論文
- 僧帽弁閉鎖不全症に合併した肺静脈瘤の1例 : 日本循環器学会第124回関東甲信越地方会
- 脳動脈瘤, 解離性大動脈瘤を伴った大動脈炎症候群の1剖検例 : 第63回日本循環器学会関東甲信越地方会
- Mucocutaneous lymphnode syndrome (MCLS)の成人2症例
- 広汎な間質性肺炎および珪肺症を伴つた活動性肺結核症の1剖検例 : 肺門リンパ節結核の気管支腔穿孔
- The three cases of sarcoidosis involving skeletal muscle
- Pathological study on granulomatous angiitis in pulmonary sarcoidosis
- The prognostic factors of pulmonary sarcoidosis:Longterm follow up study
- A case of isolated nodular pulmonary amyloidosis associated with sarcoidosis
- An Autopsy Case of Sarcoidosis Rapidly Forming Pulmonary Fibrosis with A Cavity