シスチン尿症におけるアミノ酸再吸収 : 酸性アミノ酸およびアミノ酸酸アミド特にグルタミン負荷の影響
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概要
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シスチン尿症および正常者にグルタミン酸(Glu),アスパラギン酸(Asp),グルタミン(Glu-NH2),アスパラギン(Asp-NH2)の1g/100ml溶液を毎分10ml 10分間負荷し,負荷前, 1時間, 2時間後のアミノ酸(AA)再吸収率に及ぼす影響を検討した. Glu-NH2は連続負荷も行なつた.正常者においては,上記いずれのAA負荷でもAA再吸収率に変化はなかつた.これは負荷量が少ないためと考えられた.しかし同様に少ない負荷量でシスチン尿症においては,酸性AAの再吸収率はAspとGluの負荷により阻害された. Glu-NH2とAsp-NH2の負荷では影響がなかつた.塩基性AAの再吸収率は, GluとAsp-NH2の負荷により強く阻害され, Asp負荷はCysのみわずかに阻害した.特にGlu負荷はAspの, GluとAsp-NH2は塩基性AAの再吸収率を負にした.他方Glu-NH2,負荷はLys, Argの再吸収率をわずかに改善し, Cysの再吸収率を著しく改善した.これらの結果より,シスチン尿症においては塩基性AAと同様酸性AAの再吸収機構も正常老に比しその許容量が小さい可能性,負荷AAによつては一部AAの分泌も起こる可能性,酸性AAの再吸収機構にはγ-COOHが必須である可能性等が推定された.またGlu-NH2がCysの再吸収率を改善する機序について, AAの極性と尿細管上皮細胞膜蛋白質の極性基との相互作用の面からアンニアの関与にこつき考察し, Glu-NH2のシスチン尿症治療への応用の可能性について考察した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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