本態性高血圧における血漿レニン活性の検討とくに年令変化,高血圧重症度との関係,およびfurosemide負荷試験の意義
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概要
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集団検診での30才以上の正常血圧例473名,ボランティアおよび病院での正常血圧例128名, 30才以上の本態性高血圧例163名につき血漿レニン活性を測定し,加令による変化を検討した.年令別正常値を決め本態性高血圧を低,正常,高レニン群に分類し高血圧重症度との関係をみた.本態性高血圧では無塩,立位歩行2時間, furosemide 0.4mg/kg静注10分,トレッドミルによる短時間の強い運動負荷のレニン遊出刺激を行ない,加今による変化をみた. furosemide負荷につき腎機能との関係,若年性高血圧での特徴をみた.高血圧重症度は東大3内科高血圧重症度分類を用いた.血漿レニン活性は正常血圧例,本態性高血圧例とも加令により有意に低下する.正常血圧例では20才台と30才台に有意差があり, 60才以上では低値を示す例が多い.年令別正常値は10〜29才で2.20±1.32 (平均±2SD)ng/ml/h, 30〜59才で1.68±1.14ng/ml/h, 60才以上で1.27±0.96ng/ml/hである.高レニン群は明らかに重症例が多く,低レニン群は軽症例が多い.正常レニン群はその中間であるが低レニン群に近い.男女差は本態性高血圧で女に低値を示す例が多く,高血圧重症度についても女に重症例が少ないこととの関連が示唆された.無塩,立位歩行, furosemide,トレッドミル負荷による血漿レニン活性の増加は加令に伴い減少し, furosemide負荷は腎機能の低下した例で反応は少ない.若年性高血圧で, furosemideに反応の少ない例では臓器障害の強い傾向がみられた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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