脳血栓症に伴つたマクロアミラーゼ血症の1例
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概要
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脳血栓症の56才,男性が持続性高アミラーゼ血症と低アミラーゼクリアランスを示した.血清アミラーゼ寒天電気泳動で,βとγグロブリンの間に異常に広いアイソザイムバンドが認められた.セファデックスG-100による血清ゲル濾過で異常巨大分子のアミラーゼが確認された.セファデックスG-200による血清ゲル濾過ではアミラーゼ活性は四つのピークを示し,それぞれ400,000〜450,000, 150,000〜200,000, 100,000〜120,000, 40,000〜50,000の分子量と考えられた.免疫学的検査ではアミラーゼ⋅蛋白結合が血清中に存在することは否定された.従つてセファデックスG-200による血清ゲル濾過での四つのアミラーゼ活性ピークは三つのポリマーとモノマーと考えた.ポリマーはダイマー,テトラマーと八つないしそれ以上のアミラーゼ分子のポリマーである.本例にみられた血清アミラーゼ値の著しい上昇は,脳血栓発作後約2ヵ月を経て見られていることから,脳血栓症がマクロアミラーゼ血症の成因と関係があるとは考え難い.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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杉田 秀夫
東京大学医学部神経内科
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庄司 進一
東京大学医学部神経内科
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豊倉 康夫
東京大学医学部脳研究所神経内科
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庄司 進一
東京大学医学部脳研究所神経内科
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豊倉 康夫
東京大学医学部・脳研究施設・神経内科
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杉田 秀夫
東京大学医学部 脳研究所神経内科
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杉田 秀夫
東京大学医学部脳研究所神経内科
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