一内科教室における各種疾患の動き
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
東京大学第二内科教室の入院疾患の時代による変遷を1902年から1970年にわたり検討した.入院患者は毎年約600例であり68年間では3万名を越える. 1902年頃主要な疾患であつた脚気・結核・腸チフス・パラチフスは消失または激減し,急性肺炎,寄生虫疾患・梅毒は著減した.ほとんど同様の頻度を続ける疾患は胃腸疾患・神経疾患・腎疾患・血液疾患である.増加している疾患には高血圧・糖尿病・肝硬変・悪性腫瘍とくに肺ガンと急性白血病などの古典的疾患と心筋硬塞・胆嚢胆道疾患・膵炎・心内膜炎・くも膜下出血などの昭和前期出現の疾患がある.第二次大戦後に出現し,または新しく疾患単位とされたたもののうち増加を続けるのは膠原病・自己免疫疾患・慢性肝炎・早期胃ガン・肺性心・肺気腫・虚血性心疾患・痛風・腎血管性高血圧などである.これら内科疾患の時代による変遷の原因としては医学の進歩・衛生の改善・文化経済の向上・寿命の延長・栄養過多・運動不足・ストレス増加・戦争の影響・公害・免疫アレルギー変化・遺伝疾患の存続・ビールス疾患の抵抗性などが考案される.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
関連論文
- ^I標識Macroaggregated Albuminに関する研究(第5報) : ^I-Macroaggregated Albuminの製法について
- van der Hoeve症候群の1例
- 一内科教室における各種疾患の動き
- Renal tubular acidosisの1症例
- ブロム酸カリウム(コールドパーマ第2液)中毒による急性腎不全の1例
- 椎間板ヘルニア手術により発生した外傷性動静脈瘻の1例
- 急性経過を示した,いわゆるmyeloproliferative syndromeの1例
- 遺伝関係の明らかな若年者肝癌の剖検例
- タイトル無し