壁細胞抗体の病因的意義にかんする研究
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概要
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悪性貧血患者流血中に内因子抗体,壁細胞抗体などの自己抗体が高率に証明されるが,悪性貧血を伴なわない萎縮性胃炎にも壁細胞抗体の出現頻度は高い.これらの抗体の存在意義について,悪性貧血および壁細胞抗体の出現頻度の高い疾患を対象に,胃液分泌能および胃粘膜像を検討した.壁細胞抗体は悪性貧血をはじめ萎縮性胃炎の発現しやすい疾患に高頻度に証明され,胃液酸度の低下,内因子分泌能の低下と一見関連性を示すものもあるが,本抗体の存在および抗体価と胃液分泌能および胃粘膜病変との間に,有意な相関は証明し得ず,むしろ,胃病変に伴なつた病的意義に乏しい自己免疫現象と考察された.一方,内因子抗体の陽性例はいずれも内因子分泌能の低下を伴なつており,本抗体と内因子分泌能ないし内因子活性の低下の間には,密接な関連性のあることが推測された。
- 社団法人 日本内科学会の論文
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