Drug diabetesにかんする研究(第6報) : 実験的サイアザイド糖尿病およびカリウム欠乏性糖尿病について
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概要
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臨床的にサイアザイド薬による糖質代謝異常の発生機転に低カリウム症が重要な因子と認められる.両者の関係をさらに実験的に明らかにするため,われわれは家兎を用い,サイアザイド薬長期投与実験を行ない,4カ月以後血清カリウム値の低下とともに耐糖能の低下の発生を認めた.同様の変化は陽イオン交換樹脂amberlite IR 120の長期投与によるカリウム欠乏動物においても認められた,またサイアザイド薬とamberlite IR 120の併用投与実験によつて低カリウム血症と耐糖能の低下が単独投与の場合より早期にみられた.この際カリウム薬の投与によつて血清カリウム値は正常化するが,耐糖能の低下の回復はみられなかつた.病理組織学的にサイアザイド薬の長期投与動物において膵ラ島β細胞顆粒の減少,副腎肥大,同皮質糸球層脂肪の減少,腎集合管上皮細胞の変性を認めた. amberlite IR 120投与動物においても軽度であるが同様の病変を認めた,したがつてサイアザイド糖尿病の発生要因としてカリウム欠乏が重要な因子であり,サイアザイド糖尿病はカリウム欠乏性糖尿病に類似するものと考えられる.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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