著明な白血球増多症を示したいわゆるflorid cirrhosisの1例
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概要
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1955年H. Popperらは低所得者層に属するアルコール中毒患者の剖検例中, 奇異な肝組織像を呈するもの, すなわちマロリ一体形成を伴なう肝細胞の変性壊死と著明な白血球のびまん性浸潤を伴なう繊細なかつ不規則な分布の膜様増生を主とする病変を集めて, 臨床像と併せ解析し, これをflorid cirrhosisの名の下に発表した. これらの病変はわが国においては, なぜか, 多量のアルコールの消費にもかゝわらず報告例を認めず, 民族的要因あるいは生活環境についてこの疾患の発生病理を考える上で興味ある例であろう. もしこの疾患の発生に榮養条件とともにアルコールの種類が関与するならば, 本患者にも長期にわたる日本酒およびウイスキー併用の前歴を認めることを考えあわせ, わが国においても近い将来, 多くの本疾患が報告される可能性が考えられよう. 以下本邦において初めていわゆるflorid cirrhosisと診断された患者の臨床像を中心に, 剖検所見を併せ報告する.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
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宮地 徹
大阪大学医学部第一病理学教室
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藤原 二朗
市立吹田市民病院内科
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深尾 利津雄
市立吹田市民病院内科
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山手 和子
市立吹田市民病院内科
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宮地 秀樹
大阪大学医学部病理学教室
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宮地 徹
大阪大学医学部病理学教室
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