Banti症候群の凝血学的検討 : 肝硬変における凝血障害との比較検討を中心として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Banti症候群の出血傾向としては,消化管出血がその症例の約半数にみられ,食道静脈瘤の損傷による吐血が最も重要視されているが,今回は主として本疾患における凝血因子の変動にかんし,凝血機序の各根にわたつて検索した.またBanti症候群においては軽重様々な肝障害をきたし,肝硬変を伴なうこともあり,末期にはほとんどすべて広範な肝硬変をきたすと考えられているので,肝硬変の凝血学的検索もあわせ行ない,両者の成績を比較検討した.その結果, Banti症候群における凝血因子の障害は,肝硬変における凝血因子の障害に類似しており,かつ肝機能検査成績の不良のものに凝血因子障害の程度が著しいとの成績を得た.さらにBanti症候群の凝血因子の障害が摘脾によつて著しく改善され,その改善が肝機能検査成績の改善に先立つてみられることを観察した.
- 社団法人 日本内科学会の論文
著者
-
山田 外春
三重県立大学医学部産婦人科学教室
-
松本 常男
三重県立大学医学部産婦人科学教室
-
井土 熊野
三重県立大学医学部内科学教室
-
山田 外春
同第二内科
-
井土 熊野
三重県立大学医学部第二内科学教室
-
松本 常男
三重県立大学医学部第二内科学教室
関連論文
- 三尖弁形成異常と思われる1例について : 日本環循器学会第27回東海第4回北陸合同地方会
- 分娩を経過したvon Willebrand病の一例
- 先天的無線維素原血症について
- 止血困難な臍出血を来した "先天性無フィブリノゲン血症" と思われる症例に対する輸血効果について
- 11)心房中隔欠損症に合併した慢性心嚢炎の1例 : 第38回東海第20回北陸合同地方会
- Banti症候群の凝血学的検討 : 肝硬変における凝血障害との比較検討を中心として
- 血友病A患者の抜歯ならびに抜髄処置の1症例
- (2) PATHOLOGIC PHYSIOLOGY OF HAEMOPHILIA AND RELATED DISEASES